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嫌われる勇気・幸せになる勇気

Published at 2024-08-18

アドラーの教えを示す 2 冊を読み、感銘を受けたのでそれをメモがてら示す。「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」というキャッチーなタイトルは、「嫌われても大丈夫だから勇気を持とう」という勘違いをしてしまいそうだが、当然ながらそんなに短絡的な書籍ではなかった。


過去のトラウマや経験に囚われるのではなく、現在の目的に焦点を当てることで自己を変えることができる。過去の経験にどのような意味を付けるかが、自己を決定する要素 であり、トラウマというものは存在しない。人は現状に留まろうとするために、怒りや劣等感などの感情を、変わらないことを正当化するための手段として無意識に捏造する。人生は他者との競争ではなく、自分自身の理想に向かって進むべきものであり、劣等感は他者との比較からではなく、自分の理想との比較から生まれるべきだ。対人関係の悩みがすべての悩みの根源 であり、他者の課題に干渉せず、自分の課題にも他者を介入させない「課題の分離」が重要である。

世界的にはフロイト、ユングと並ぶ心理学界の三大巨匠とされながら、日本国内では無名に近い存在のアルフレッド・アドラー。「トラウマ」の存在を否定したうえで、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言し、対人関係を改善していくための具体的な方策を提示していくアドラー心理学は、現代の日本にこそ必要な思想だと思われます。本書では平易かつドラマチックにアドラーの教えを伝えるため、哲学者と青年の対話篇形式によってその思想を解き明かしていきます。著者は日本におけるアドラー心理学の第一人者(日本アドラー心理学会顧問)で、アドラーの著作も多数翻訳している岸見一郎氏と、臨場感あふれるインタビュー原稿を得意とするライターの古賀史健氏。対人関係に悩み、人生に悩むすべての人に贈る、「まったくあたらしい古典」です。

人生を「どう生きるべきか」という問いに対して、宗教や哲学と同様に「共同体感覚」の概念が重要である。共同体感覚とは、他者の関心事に関心を寄せ、共感を通じて社会に貢献することで得られる ものである。教育において、褒めることや叱ることが他者との比較や競争を生み出し、承認欲求や依存心の要因となり、自立を妨げる。自立とは、自らの価値を他者ではなく自分で決定できるようになることであり、教育の目的は子供をそこに導くことにある。教育者は尊敬と共感を持って子供たちと接し、彼らの自立を支援することが求められる。

前作『嫌われる勇気』でアドラーの教えを知り、新たな生き方を決意した青年。その彼が3年ぶりに哲人のもとを訪れる。アドラーの教えを実践すべく図書館司書を辞めて教師となった彼が語る衝撃の告白。それは「アドラーを捨てるべきか否か」という苦悩だった。アドラー心理学など、教育現場でも現実社会でも通用しない机上の空論だとする彼に、「あなたはアドラーを誤解している」と哲人は語る。哲人と青年の対話は、教育論に始まり、仕事論、組織論、社会論、人生論へと及び、最後には「真の自立」と「愛」というテーマが浮かび上がる。そして、最後に哲人が説くのは、誰もが幸せに生きるために為すべき「人生最大の選択」についてだった。果たしてその選択とは? あなたの人生を一変させる劇薬の哲学問答、再び!

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