嫌われる勇気・幸せになる勇気
Published at 2024-08-18
アドラーの教えを示す 2 冊を読み、感銘を受けたのでそれをメモがてら示す。「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」というキャッチーなタイトルは、「嫌われても大丈夫だから勇気を持とう」という勘違いをしてしまいそうだが、当然ながらそんなに短絡的な書籍ではなかった。
過去のトラウマや経験に囚われるのではなく、現在の目的に焦点を当てることで自己を変えることができる。過去の経験にどのような意味を付けるかが、自己を決定する要素 であり、トラウマというものは存在しない。人は現状に留まろうとするために、怒りや劣等感などの感情を、変わらないことを正当化するための手段として無意識に捏造する。人生は他者との競争ではなく、自分自身の理想に向かって進むべきものであり、劣等感は他者との比較からではなく、自分の理想との比較から生まれるべきだ。対人関係の悩みがすべての悩みの根源 であり、他者の課題に干渉せず、自分の課題にも他者を介入させない「課題の分離」が重要である。
人生を「どう生きるべきか」という問いに対して、宗教や哲学と同様に「共同体感覚」の概念が重要である。共同体感覚とは、他者の関心事に関心を寄せ、共感を通じて社会に貢献することで得られる ものである。教育において、褒めることや叱ることが他者との比較や競争を生み出し、承認欲求や依存心の要因となり、自立を妨げる。自立とは、自らの価値を他者ではなく自分で決定できるようになることであり、教育の目的は子供をそこに導くことにある。教育者は尊敬と共感を持って子供たちと接し、彼らの自立を支援することが求められる。