EagleLand

2024年に読んで良かった本

Published at 2024-12-23

2024 年は 52 冊の本を読んだらしい。今年は TechTrain でインタビューをしていただく機会があり、そこでも偶々読んだ本の話をした。

異なる様々な業態の会社での組織造りを含めたモノづくりへのコミットを通じて、自分なりの理想形を考えてきた。そしてそれは、いわゆる「開発組織マネジメントの本」に限らず、社会・人文といった広い分野の本を読む中でアナロジーを感じる場面も多い。

NETFLIX の最強人事戦略

性悪ではなく性善への徹底的なフォーカスで、従業員のモチベーションを最大限に引き出す。管理手法やインセンティブといった表層的な従属ではなく、ミッションを共有しタスクではなくイシューに向き合う優秀な人材を集めることに尽きる。

DVDの郵送レンタルから、映画のストリーミング配信、独自コンテンツ製作へと業態を進化させながら驚異的な成長を続けるNETFLIX。その成功の秘密は、型破りな人事制度に支えられたカルチャーにある。「業界最高水準の給料」「将来の業務にふさわしくない人は解雇」「有給休暇は廃止」等、同社の元最高人事責任者が刺激的な戦略の精髄を示す。「シリコンバレー史上、最も重要な文書」と呼ばれたNETFLIX CULTURE DECKを元に書籍化!

日本の難点

いつも通り宮台さんの書籍は読み解くことに苦労する。この書籍の初版が 2009 年ということ、そして 2024 年末においても社会構造の課題が変化していないことへの衝撃が大きい。

現代とは「社会の底が抜けた時代」である。相対主義の時代が終わり、すべての境界線があやふやで恣意的な時代となっている。そのデタラメさを自覚した上で、なぜ社会と現実へコミットメント(深い関わり)していかなければならないのか。本書は、最先端の人文知の成果を総動員して、生きていくのに必要な「評価の物差し」を指し示すべく、「現状→背景→処方箋」の3段ステップで完全解説した「宮台版・日本の論点」である。

社会契約論

当たり前に存在している社会や国家を、人類がどのように形成しているのか。国家・主権者・自由意志・一般意志といった非常に抽象度の高い言葉で、社会契約の本質的な条件を整理している。1762 年の発行であり、その抽象度故に難解だが、読んだ後には世の中が違って見えてくる。

本書は「Du Contrat Social ou Principes du droit politique」(ジャン・ジャック・ルソー著、一七六二年発行)の日本語訳である「民約論」(ジャン・ジャック・ルソー著、平林初之輔訳、岩波書店、一九五〇年九月三十日第十八刷)を底本として旧字体を新字体へ改める等の編集を独自に加えたものです。

タイトルと URL をコピーしました