react-routerのハッシュリンクとスムーススクロール
Published at 2017-06-11
React Router を使っているプロジェクトで、できれば「ハッシュリンクを踏んだ時に、対象位置までスクロールしたい」というのがあり、少し調べていた。そもそも React Router はハッシュリンクが正しく機能しないという不具合があったり、既に公開されているライブラリでは機能を満たせない、メンテナンスが不安、コードがアレ…等等、スクラッチで書くところから始まった。
react-router-hashlink
React Router の <Link>
コンポーネント をラップして、ハッシュリンクに対応したのが 1000ch/react-router-hashlink である。
import { HashLink } from 'react-router-hashlink';
function render() {
return (
<ul>
<li><HashLink to="/foo#bar">/foo#bar</HashLink></li>
<li><HashLink to="/foo#bar" behavior="smooth">/foo#bar</HashLink></li>
<li><HashLink to="/foo#bar" delay={500}>/foo#bar</HashLink></li>
</ul>
);
}
な感じで使う。behavior
と delay
を除き、React Router の <Link>
コンポーネントを指定できると思ってもらえば良い。
Element.prototype.scrollIntoView()
と ScrollBehavior
内部的に #bar
へは document.getElementById('bar').scrollIntoView()
で移動しているが、この Element.prototype.scrollIntoView()
実行時などのスクロールの挙動を制御する仕様、 ScrollBehavior が新たに策定されつつある。ScrollBehavior の適用先としては MDN の Element.prototype.scrollIntoView()
にはあるが、CSSOM View Module の 6. Extensions to the Element Interface にはないようで、最終的にどうなるかは不明。全て CSS の scroll-behavior
に吸収される可能性も大いにある(この辺りの動向を突き止められていないので誰か知っていたら教えてください)。
ScrollBehavior のポリフィル
この ScrollBehavior のポリフィルが smooth scroll polyfill で、これで scrollIntoView({ behavior: 'smooth' })
とすると、その要素まで滑らかにスクロールしてくれる。
このポリフィルがよくできていて良いのだが、polyfill()
関数のはじめに次のような処理をしている。
function polyfill() {
if ('scrollBehavior' in document.documentElement.style) {
return;
}
// ポリフィル処理
}
Chrome では CSSStyleDeclaration に既に scrollBehavior
が存在している状態なので、このポリフィルの恩恵を受けることができない。これは delete
などで消すことも不能なので仕方なく、ネイティブ実装をポリフィルで上書きできるように override()
関数を追加してプルリクエストを出した。他の PR の状態を見るにあまり活発ではないようなので、しばらく fork バージョンを使おうと思う。
ハッシュリンクでスムーススクロール
<HashLink>
とポリフィル、諸々合わせるとハッシュリンクへのスムーススクロールが実現できた。まぁここまでせずともユーティリティ関数を作って凌げそうではあるが、なるべく Web 標準に準拠した形で実装したい気持ち。
<HashLink>
コンポーネントに delay
プロパティを用意したのは、ページ遷移を含むハッシュリンクの場合に、ページ遷移直後にすぐさまスムーススクロールするより、ファーストビューを視認させた上でスクロールを始めたいケースがある気がしたから。