EagleLand

2014.09.05

Vulcanizeで減らすHTML ImportsのHTTPリクエスト

Web Componentsの旨味はコンポーネントの再利用が出来る所にあるので、そのためにはそのリソースは断片化は避けられない。 <x-element>を構成するリソースはx-element.htmlに集約し、使うときにはHTML Importsでロードする。 実際には複数のWeb Componentsを利用したいケースは当たり前にあることなので、素直にやろうとすると以下のように。

<link rel="import" href="x-element.html">
<link rel="import" href="y-element.html">
<link rel="import" href="z-element.html">

このHTMLではこのWeb Componentsをロードしている というのが明確ではあるけど、インポートには当然HTTPリクエストを伴うので、パフォーマンスの観点からはあまりよろしくない。 今回はPolymerチームが提供しているVulcanizeを使ってこの辺りを最適化してみる。

インストールと使い方

npmからインストール出来るので早速インストール。

# vulcanizeのインストール
$ npm install -g vulcanize

vulcanizeコマンドを使って、インポートを行っているHTMLを指定する。 指定したHTMLファイル中でインポートしているHTMLを、インポート先に書き出して<link rel='import'>を除くような処理をする。

# index.html内の<link rel='import'>をアレコレしてbuild.htmlとして出力
$ vulcanize -o build.html index.html

実際にビルドされたリソースはインポートするHTMLを<div hidden></div>で挟んである以外は、結合だけされているような感じ。 HTML Importsの仕組みを考えれば、指定しているHTMLファイルを引っ張ってきてパースしているだけなので、直列に繋げた所で実行時に問題が起きないのも納得できる。 以下は、とある<y-elements>に依存している<x-element>のイメージ。

<link rel="import" href="y-element.html">
<template id="x-element-template">
  <x-element>
    <content></content>
  </x-element>
</template>
<script>
  //...
</script>

これをVulcanizeしてみると

<div hidden>
  <template id="y-element-template">
    <div>
      <content></content>
    </div>
  </template>
  <script>
    //...
  </script>
</div>
<template id="x-element-template">
  <x-element>
    <content></content>
  </x-element>
</template>
<script>
  //...
</script>

のように展開される。

Polymerのコアモジュールのように複数のWeb Componentsから依存されるような場合も、Polymerコアが何度も展開されることはなく、よしなにやってくれる。

ビルドフローに組み込んでみる

という前提があるので、Web Componentsをロードしてる<link>だけを抜き出して別ファイルに用意。

<link rel="import" href="x-element.html">
<link rel="import" href="y-element.html">
<link rel="import" href="z-element.html">
<link rel="import" href="twitter-button/twitter-button.html">
<link rel="import" href="facebook-butotn/facebook-button.html">

デバッグ時にはこのHTMLをインポートし、デプロイ時にはこのHTMLをVulcanizeでビルドしたものをロードすれば良い。 インポートをしているHTML(実際にカスタム要素を使っているHTML)そのもののビルドも出来るわけで、HTTPリクエストだけを考えればそれが一番良いかもしれない。 でも、テンプレートエンジンを使ってたり、他のページに展開されたりすることを考えてみると、Web Componentsだけをまとめておくのがバランス良さそう。発想は外部CSSファイルの扱いと同じ。

ビルドして展開されたHTMLも圧縮したらいいんじゃねと思って今回はそれもやった。

最適化前後の例

小さすぎて見えにくいですが、リクエストが8つほど削減出来た。ペイロードサイズがネックにならないとは言い切れないけど、用法用量を守れば効果的なよう。

Before

After

所感

リソースの断片化によるHTTPリクエストの増加はVulcanizeで解決出来る。でも事前にビルドするということが前提になる。 Web Componentsの謳い文句である 「再利用」 を考えれば、npmやbowerのようなパッケージマネージャを使って落とすのではなく、ネットワークからダイレクトにコンポーネントをロードしたいという発想も出てくる。 それがorigamiのようなCDNで配信側でビルドされて返却されるようになるのか、はたまたHTTP2の普及で気にしなくなる時が来るのかわからないけど、それまではVulcanize使うと良さそう。

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